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【週刊ダイヤモンド掲載】電気自動車を活用して建物の災害対応力を強化

※週刊ダイヤモンド 2022年9月17日・24日合併号から抜粋

超高層マンションの大規模修繕で圧倒的な実績を持つシミズ・ビルライフケアは、実はリニューアル工事と建物管理という二つの事業がメインだ。同社が現在力を入れているのが、大規模災害時の電力確保に備えた、マンションやオフィス・工場の改修である。

今、地球温暖化に伴う気候変動の影響が拡大し、降雨量が増加して災害が激甚化している。直近10年間を見ると、地震を除く大規模災害では豪雨や降雨の災害が多発している。特に線状降水帯など短時間に降雨が集中して洪水を引き起こすケースが増えている。

「2019年に川崎市で“内水氾濫”が起きて、超高層マンションで電力ダウンを引き起こした例がありました。台風や集中豪雨によって停電が引き起こされると、照明やエレベーター、給水などが停止して、生活が著しく困難になります。マンションのLCP(生活継続計画)や、オフィスビルや工場のBCP(事業継続計画)を考えると、大規模災害時の電力確保が最も重要になります。そこで当社では、大規模修繕などを機に、電気自動車(EV※1 )を活用した建物の災害対応力強化を提案しています※2

※1  EVのバッテリー活用や「マンションストック長寿命化等モデル事業」による補助金等の提案を含む
※2  同社では、都内の超高層マンションにおける災害対応力強化工事のために「マンションストック長寿命化等モデル事業の工事支援型申請を行い、8月に採択された。

そう語るのは、富永秀行代表取締役社長だ。

これは、EVのバッテリーを大規模災害時の非常用電源として活用しようという試みである。建物には通常、非常用電源という防災設備があるが、そうした非常用電源は火災時における停電を前提としているため、電力の供給時間は30分から60分と短いものが多い。その不足分を補い、エレベーターや給水のための十分な電源を確保するために、EVのバッテリーを活用しようというのだ。

シミズ・ビルライフケア
リニューアル事業本部
原 章博
副本部長

シミズ・ビルライフケア
富永秀行
代表取締役社長

充放電スタンドと蓄電池の組み合わせ

マンションの場合、駐車場に充放電スタンドを設置し、平時はEVへ充電するために使用する。そして大規模災害時には、逆に電気自動車から建物に電気を供給する。

それが理想の姿だが、実際のところマンションでの普及は進んでいない。

リニューアル事業本部の原章博副本部長は、「EVはまだそれほど普及しておらず、所有者が少ないのが現状です。一部の所有者(居住者)のために修繕積立金で充放電スタンドを整備しようとしても、マンション住民の合意を得られにくい。そのため、管理組合を通じて充放電スタンド整備補助金を受け、差額をEV所有者が負担したケースもあります」と、その理由を説明する。

同社が最近始めたのは、EVシェアカーを利用した選択肢の提案だ。具体的には、九州電力が展開するEVシェアカー事業と提携し、EVシェアカーをマンションに配置する。管理組合は、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(設備費上限75万円、工事費上限95万円)を利用して充放電スタンドを設置する。平時は居住者が自由にEVシェアカーを利用し、災害時にはEVシェアカーのバッテリーを活用してマンションの電源を確保する。EVシェアカー充電の空き時間は、レンタル充電器として開放すれば収益も見込める。マンション住民全員のメリットになるため、合意を得られやすいと考えられる。

「充放電スタンドとともに蓄電池を設置し、太陽光パネルを組み合わせれば、非常時の電源確保の他、電力逼迫時のピークカットなどにも対応することができます。蓄電池は発電機の導入や大型化と比較して、燃料劣化や定期的な試運転も必要ない利点があります」(原副本部長)

 蓄電池に関しては、日産自動車などの協力を得て、再生リチウムイオン電池の活用も提案している。日産リーフ(EV)のバッテリーパックは複数のセルをモジュール化したバッテリー構造が採用されており、8年間または16万キロメートルの走行後でも約80%程度の容量が確保される。

EVバッテリーをリユースすることで、レジリエンス性の向上にも貢献できる。

「私たちには、大規模修繕を通して管理組合さまと接する機会が多いため、その建物の状況に合わせて、最適な提案をできるという優位性があります。また、EVシェアカー、充放電機器の手配から、設置に関わる工事、補助金申請の他、LCP用蓄電池の検討まで、ワンストップでお手伝いできるという強みもあります」と富永社長は話す。

マンションだけでなくオフィスビルにも提案

同社ではこうした提案を、マンションだけでなくオフィスビルや工場向けにも行っている。同社の都内の支店では、実際に営業車にEVを採用し、災害時には72時間、そのEVのバッテリーで電力を確保するシステムを導入して検証する体制を整えている。こうした具体的な事例を基に法人向けにBCPの提案も行っているのだ。

 同社のコーポレートメッセージには「任せてください建物の安心・快適」という文言がある。これからの時代、建物の安心や快適を脅かす予期せぬ出来事が発生する恐れがある。LCPやBCPを実現するためには、まず大規模災害時の電力確保が必須であり、同社ではEVの普及を見据えてこの新たな取り組みに力を入れている。


私たちをとりまく環境や価値観は急速に複雑化・多様化してきています。
私たちが暮らし、憩い、働く空間もより快適で、高度なものが求められています。
また「もの」を「永く、大切に」使うことの重要さが認識されている時代でもあります。
これらの社会的な要請を十分認識し、意匠・構造・設備及び建物診断の専門家を核とした
総合力でリニューアルに関わるお客様のあらゆるニーズに応えます。

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